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中小企業(独立系Sier)でインフラエンジニアをしている管理人が日々の業務、自己啓発によって得た知識、経験を雑記するブログです。

AWS:AWS Directory Service - 初めてのMicrosoft AD/オンプレとの比較(個人的な見解)

#検証中の為、常に追記していきます。

目的

Microsoft ADの検証およびサービス理解の為、利用時に気付いたことを雑記していく。

オンプレとの比較 (個人的に気付いた点)

  • オンプレ作成時の「新しいフォレストを追加する」で常に作成される。
    オンプレ作成時の[既存のドメインコントローラーを追加する]、[新しいフォレストを既存のフォレストに追加する]という概念が無い様に思える。

  • オンプレ作成時の「読み取り専用ドメインコントローラー(RODC)」に関するオプションがMicrosoft ADセットアップ時には無い。

  • オンプレ作成時はDNSサーバーの構成についてオプションとなっているが、Microsoft ADの場合、DNSサーバーが常に一緒に構成される。

  • オンプレ作成時の「DNS委任オプション」に関するオプションがMicrosoft ADセットアップ時には無い。

  • フォレスト、ドメインの機能レベルは"Windows Server 2012 R2"で構成される。
    ドメインセットアップ時に機能レベルの指定は出来ない模様。
    f:id:Miyamon:20160904230634p:plain

  • 必ずマルチAZ構成のDC構築となり、2台共GCサーバーとして構成される。
    f:id:Miyamon:20160904230451p:plain

  • ディレクトリ復元モード(DSRM)のパスワードについてもAWS側で管理となる。

  • マネージドサービスの為、作成される2台のDCサーバーについてデータベース、ログファイル、SYSVOLフォルダのパスについては指定不可。

  • Built-in AdministratorアカウントはAWS側で管理の為、利用不可。
    ※Administratorアカウントのパスワードのリセットを試しましたがやっぱり弾かれました。
    f:id:Miyamon:20160904225851p:plain

  • 基本的にドメインのAdministarator権限は利用者側で保持出来ない模様。
    ※簡易的に確認しただけですが、Domain Adminsのグループにユーザーを加えられなくなっている。
    f:id:Miyamon:20160904230340p:plain

  • DNSについて前方参照ゾーン、逆引き参照ゾーンの両方が構成される。
    ※オンプレの場合、逆引き参照ゾーンは個別で構成する必要がある。

  • DNSのゾーンについて以下の様に構成される。
    ※初期で構成されるゾーンについては同一設定である。
    f:id:Miyamon:20160904232017p:plain

  • DNSのゾーンエージングについても有効化されている。
    ※初期で構成されるゾーンについては同一設定である。
    f:id:Miyamon:20160904232243p:plain

  • 自動的に (おそらく)NetBIOS名のOU*1、配下に「Computers」、「Users」のOUが作成される。
    下記画面の「test」OUおよび配下OU以外ではオブジェクトの作成は出来ない。 (コンテナ内も作成不可)
    ドメイン参加したコンピューターはオンプレでは「Computers」コンテナにオブジェクトが追加されるが、Microsoft ADでは自動的に「test」OU以下の「Computers」OUに作成される。 f:id:Miyamon:20160904234106p:plain

コスト

  • 料金詳細
    Microsoft AD (東京/時間料金):0.445 USD (2016/9/4時点)

    運用期間 料金(東京)
    1日 10.68 USD
    30日 320.4 USD
    365日 3898.2 USD
  • 個人的見解
    非常に魅力のあるサービスだと考える。
    Microsoft ADについて年間約40万円の料金と想定し、5年間で約200万円となる。
    AWS Directory ServiceのMicrosoft ADは構成として作成時にDCサーバー2台をそれぞれ別々のAZに配置する。
    オンプレで同構成を構築、運用するとなるとサーバー、ソフトウェアライセンス、UPS、ラックレンタル費用、電気代、バックアップ運用管理等に掛かる人件費等を諸々考慮するとまず、5年間で200万円では収まらない。
    マネージドサービスといった点でも非常にメリットあるサービスであると考える。


*1:今回の場合は「test」OU